法律の豆知識,公正証書
Q1 : 夫(妻)が不倫をしていることが発覚ました。不倫相手に慰謝料請求できるのでしょうか? |
結婚すると、夫婦は互いに貞操義務を負います。(民法752条、770条1項1号) したがって、不倫関係を持った夫(妻)はこの義務違反を犯したことになり、そして、その不倫相手はその義務違反に加担し、妻(夫)の権利を侵害したことになります。 よって、妻(夫)は、夫(妻)と、不倫相手に対して、共同不法行為を理由として、慰謝料を請求できます。 <離婚原因(継続性あり)になった不貞行為の慰謝料と離婚原因にならない程度の不貞行為の慰謝料(1回だけ)は金額に平均約10倍程度の差があります。> |
Q2 : 妻子ある上司から妻と別れると聞かされて交際したが、結局すてられました。 慰謝料は請求できるのでしょうか? |
普通、不倫する側から慰謝料を請求できませんし、逆に妻から慰謝料を請求されるところです。 しかし、妻とは冷え切った関係で別居中・離婚話を進めている等、(婚姻関係が事実上破綻している)と嘘をついて女性を口説く男性もいます。 そんな言葉を信じて肉体関係を結んだあとに捨てられた場合は、相手に対して貞操侵害を理由として慰謝料を請求できる場合があります。 独身と偽られていた場合には、確実に貞操侵害です。 |
Q3 : 不倫が原因で離婚になりました。慰謝料はいくらぐらいになるの? |
まずは話合いで決めることになると思います。これが協議離婚というもので、離婚の90%がこの方法によります。それで解決しない場合は、調停離婚→審判に持ち込まれます。これで98%は解決するようです。要するに、裁判までいくのはほんの1~2%程ということです。 それでは、裁判までいくと判例では慰謝料はどうなっているのでしょうか。?これは、不法行為の度合いにもよりますが、約200万円から350万円というのが最多例のようです。 弁護士費用が約50万円だと仮定して、想定される慰謝料から差し引くと、差し引きの純利益はは150万円から300万円になる計算になります。 つまり、これが損益分岐点です。 したがって、不倫をして離婚をする(したい)側は、相手が150万円から300万円を即金で払えと言ってきた場合、即、示談で決着させた方が楽だということが言えます。 一方、不倫をされて慰謝料を請求する側は、弁護士費用50万円(およそ)と、慰謝料の低めのラインである200万円を合計した、150万円より低い金額を相手が提示してきたら、突っ張って、「裁判にするぞ」と交渉してみた方が得策だと言えるでしょう。 ずばり、双方、裁判にするか否かの判断基準は250万円が攻防ライン(損益分岐点)ではないでしょうか。 因みに、裁判での決着・判決を目指すよりも、当然示談で決着した方が、精神的、社会的、対外的に不法行為(浮気)を実行していた方にとっては楽ですね。負けると判っている裁判に、何回も呼び出されて、肉体関係の詳~細な内容やプライバシーに関わる重要な部分を公開の法定で根ホリ葉ホリ追求されるわけです。 従って、判決をもらうよりも、示談で解決した方が慰謝料は断然高額になる傾向にあります。そういった背景も含めた、真の攻防ラインは300万円~500万円あたりでしょうか? 財産分与と養育費の計算も含め、慎重に決めたいですね。 |
Q4 : 姦通罪ってあるの? |
不倫というのは、かしこまった表現を使うと「姦通」ということになります。では、不倫をすると姦通罪になるのかという心配が生まれますが、それは戦前の話です。これは、他人の妻に手を出したり、結婚している妻が夫以外の男性と肉体関係を結んだりすると処罰される法律です。現代的な視点から言うと、女性に著しく厳しい法律だということになりますが、儒教的な精神文化の影響を受け、イエ制度が今より重視された当時においては、イエの血統を守るという点では合理性のある法律だったのです。韓国では今でも姦通罪があるそうです。 さて、戦後、姦通罪は廃止されましたが、民法上、不倫は不法行為として慰謝料請求ができることになっています。 |
【 慰謝料についてまとめ 】 |
浮気(不倫・不貞)、借金、暴力等の離婚原因を作った側(有責配偶者)が請求される、配偶者の精神的苦痛に対する損害賠償 例 : 夫の浮気が離婚原因の場合 ⇒夫が有責配偶者で妻は夫に慰謝料を請求できる。ただし、離婚原因を証明できるか、本人が認めないと慰謝料請求は難しい |
◇ 離婚の慰謝料の条件 |
・ 双方に離婚の原因があるときは請求できない。 ・ 慰謝料を支払う側(被請求者)でも、財産分与は請求できる。 ・ 慰謝料の請求は離婚後でもできる(時効3年) ・ 慰謝料が金銭で支払われる場合は税金がかからない ~ ポイント ~ 1) 平均200万円~350万円(離婚理由・婚姻期間・所得や協力度合等で決まる) 2) 慰謝料請求の証明(=離婚理由の証明)は難しい 3) 分割払い可。ただし、リスクがあるので公正証書で法的効力のある約束にするべき。 |
【 財産分与 】 |
夫婦で築いてきた財産の精算であり、離婚により生活に不安を来たす側への扶養。 ~ 離婚の財産分与の条件 ~ ・ 離婚原因を作った責任と財産分与は無関係 ・ 有責配偶者(離婚原因をつくった側)も請求できる ・ 離婚後に財産分与も可。(時効2年) ・ 不動産にて財産分与をもらうと譲渡所得税がかかる ・ 夫婦の協力によって得た財産が対象 (会社員の場合の給料 等) ・ 特有財産(婚前に得た財産)(相続を受けた場合)(自己の名声で得た財産)は財産分与の対象外 ~ ポイント ~ ・ 財産分与額の算出は難しい(厚生年金、年金、保険関係他も全て含めると、算出・立証が非常に難しい) ・ 協議、調停では話合いが基本 ・ 決着しない場合は家庭裁判所審判に協議に変わって、処分を請求できる。 (財産構築への夫婦それぞれの貢献度合い等が焦点となる。家事、育児も大きな貢献とみなされる。) ・ 金額は婚姻期間などに比例して様々 ・ 不動産による財産分与は登記手続きが必要(課税対象) ・ ローンが残っている不動産は要注意、しっかりと決め事をしましょう ・ 分割払い可。ただし、リスクがあるので、公正証書で法的効力のある約束にするべき。 ・ 配偶者(例えば夫)による財産の隠匿工作に注意 公正証書作成(示談)の場合、コレまでの互いの収入を足して2で割り、生活費等の額を平等に差し引き残った金額を5:5でなくても6:4とか7:3とかそれ以上で取り決めをしてもOKです。 互いの合意があれば問題ありません。(芸能人の人などは総額何億円になることも・・・) |
【 子供の権利、親権・養育費・面接交渉権など 】 |
離婚届には親権者を記載する欄があります。子供が居る場合ココを記載しなければ、つまり離婚できません。 (しかし、離婚前に慰謝料と財産分与、養育費などの面も決めておかないと後で大変なことになるケースがありますので、焦りは禁物です。) 親権とは、父母が未成年の子供に対して持つ ①「身上監護権」監護、教育する権利・義務 (実際に子供を自分の手元におき、育てる) ②「財産管理権」子供の財産を管理し、法律行為をする場合は子供の代理人として契約を行う権利・義務 のことです。(養育費を支払うなど) 親権とは上記2つのことを指します。(「身上監護権」と「財産管理権」を別々に定めることも可能です!!!) ~ 一番大切な豆知識 ~ 母親が親権を持つケースが約8割を超えると言われておりますが、父親が親権者になった場合でも母親が子供を引き取って育てる「監護者」になることもありです。(当然逆もあり) 夫婦間で「どちらが親権を持つか?」で揉めている場合などは、妥協的な解決方法として、親権は譲るかわりに「身上監護権」だけはもらうという方法があります。 ただしこの場合は、先に述べた②の子供の財産に関する法律行為の代理はできませんので、保険、相続など先々の注意も必要です。 この監護者が夫婦のどちらになるか?は離婚届に記載欄はありません。(事前にきちんときめましょう♪) 自分の子供を手元に置き、育てることが出来ない方の人は、通常養育費を支払いますが、代わりに面接交渉権(月に何度か子供に面会する権利)を与えられます。 面接交渉権を定めないと(定期的に子供に会わせないと)養育費が滞るケースが非常に多いそうです。 ~ 養育費の相場 ~ ・ 通常子供1人あたり2万円~6万円(収入等による)を成人する迄か、大学を卒業する迄とする。 ・ つまり子供0歳児1人あたり480万円~1584万円(22歳までとして)の間が全体の80%以上となっている。 ~ ポイント ~ ・親には子供の扶養義務があるので、通常破産したとしても支払うこととなる。。 ・ 公正証書に「支払いが滞った場合にはいつでも強制執行できる」と書くか、裁判で確定判決を得た場合には 支払いが滞った時にいつでも給料(会社)や預金(銀行)等の第三債務者に対して強制執行、差し押さえをかけることができる。(探偵に勤務先調査や財産調査を頼めばOKです) ・ 法律的に養育費から逃れられる術は無い!! ・一括で貰っても、分割で貰っても相手との相談次第で構わない。裁判の判例では分割が多いが滞りやすい。 |
◇ 日本の離婚事情 |
・ 日本では結婚すると約3分の1以上のカップルが離婚をします。 (因みに経済大国のアメリカでは5割超) ・ 離婚者は老若男女、独身者等全てを含めた人口1,000人あたりで年間約2.04人(平成18年度統計) ・ 平成18年度統計では毎年73.1万人が結婚をして25.7万人が離婚をしています。 総務省統計局日本の統計から 2-17を御覧下さい。 ・ 裁判離婚は72万人中たったの1~2% |
◇ 離婚には4つの種類がある |
・ 協議離婚 ・・・夫婦がお互いに話合いで離婚するもので、離婚全体の約9割がこれに該当。離婚届けを役所に提出して終わり。 ・ 調停離婚・・・家庭裁判所に関わってもらい、意見調整をスムーズに進めてもらえる。家事審判官(裁判官)1名と家事調停委員2名がかかわります。ここで合意に至れば「調停調書」が作成され、この謄本を添えて離婚届けを役所に提出して終わり。 ・ 審判離婚・・・離婚調停が不調に終わり(合意に至らず)家庭裁判所の判断(条件)で離婚を決めること。審判が下されてから2週間は異議申し立て期間となり、どちらか一方が異議を申し立てると家庭裁判所の審判は効力を失い、いよいよ争いの舞台は裁判所へと移行致します。 ・ 裁判離婚・・・家庭裁判所ではなく、地方裁判所での裁判。通常の裁判ですので、これまでとは違い公開の場で様々なプライバシーをさらされる。裁判離婚は約1% |
◇ 確定的な「証拠」さえあれば |
これまでの判例を検証すると、慰謝料(相場は200万~350万)養育費(相場は一人あたり月額2万~6万)、財産分与(相場は無く人それぞれ。数千万円以上に昇る人も多い)の範囲が一番多いものと言えます。証拠があれば、慰謝料は常識の範囲内で決定(確定)するのです。また、その証拠を利用する・しないも選べる有利な環境(有責配偶者を訴えるか?訴えないか?)が整うのです。理不尽な目に遭っていても、証拠が無ければ、何も得られない場合がありえます。 |
時効について・・・
・慰謝料の時効、不法行為の時効は(不貞の事実を知った時から)3年です!!
・また、最後の不貞行為(不法行為の時)から20年経過すると何も知らなくとも時効です。
・財産分与の時効は離婚から2年です!!
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実例掲載の許可を頂けた案件が以下に御座います。
◇ 離婚の民法 |
民法第763条(協議上の離婚) 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。 民法第770条(裁判上の離婚) 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。 1 配偶者に不貞な行為があったとき。 2 配偶者が悪意で遺棄されたとき。 3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。 4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。 5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。 |
◇ 関東地方家庭裁判所所在地一覧 |
東京家庭裁判所 千代田区霞ヶ関1-1-2 03-3502-8311 家事手続案内システム 千代田区霞が関1-1-2 03-3503-4351 同 八王子支部 八王子市明神町4-21-1 0426-42-5195 同 八丈島出張所 04996-2-0619 同 伊豆大島出張所 04992-2-1165 横浜家庭裁判所 横浜市中区寿町1-2 045-681-4181 浦和家庭裁判所 浦和市高砂3-16-45 048-863-4111 千葉家庭裁判所 千葉市中央4-11-27 043-22-0165 水戸家庭裁判所 水戸市大町1-1-38 029-24-0011 宇都宮家庭裁判所 宇都宮市小幡1-1-38 028-21-2111 前橋家庭裁判所 前橋市大手町3-1-34 027-31-4275 静岡家庭裁判所 静岡市城内町1-20 054-73-5454 甲府家庭裁判所 甲府市中央1-10-7 055-35-1131 長野家庭裁判所 長野市旭町1108 026-32-4991 新潟家庭裁判所 新潟市川岸町1-54-1 025-266-3171 |
◇ 公正証書とは |
・ 示談等での合意内容に裁判所での確定判決と同じ効力を持たせることができる。 (金銭の支払い約束であり、「期日までに支払いがなされない場合は強制執行できる」と明記しましょう!) ・ 念書や誓約書等のパワーアップ版とも言えます。 ・ 全国の公証役場で作成してもらえる。詳細は右記参照のこと 日本公証人連合会 ・ 関係者全員(委任状可能)で実印と印鑑証明書を持って行く。 (片方が委任した場合2度目の訪問時に完成する。 関係者全員で書類を完備した場合、即日公正証書を完成させることも可能です。) ~ ポイント ~ ・ 日付の記載があること ・ 当事者の名前・住所が記載されていること ・ 不貞行為等を認める記述があること ・ 慰謝料、支払い方法、支払い期日の合意内容が記載されていること、捺印、拇印があること ・「期日までに支払いがなされない場合は強制執行できる」と明記すること。 |
◇ 通知書 見本
通 知 書
貴方もご承知のように、貴方と私との婚姻は未だ解消はされておりませんが、貴方の不貞等による婚姻共同生活を侵害する行為を理由として平成 年 月 日より、冷却期間をおくために別居を始めてから カ月が経とうとしております。
; 民法第760条の規定により、夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担するとあります。
; よって、私達は法律上未だ夫婦でありますので、法律に従って婚姻費用のお支払いをお願いします。
; 金額としましては、私の生活費として、毎月当たり金 万円をお支払い願いします。
; つきましては、本年度 月分から 月分までの合計金 万円を直ちに下記口座にお支払い願うと同時に、今後とも別居が解消されるまで、毎月の月末までに当月分を必ずお支払い頂けますようお願い申し上げます。
以上
記
振込先口座
銀行 支店 口座番号(普)
口座名義:
平成 年 月 日
◇ 誓約書 見本(例)
誓 約 書
殿
私は、貴殿に対し、貴殿と今後の婚姻生活を継続していくことに当たり、次のとおり誓約いたします。
第 1 条(謝罪)
私は貴殿に対し、従来私が婚姻中にもかかわらず、愛人をつくり、不倫交際をしていた事実を認め、心より謝罪するとともに、早急に、愛人との不倫交際を解消することを誓約いたします。
第 2 条(貞操義務の尊守)
私は貴殿に対し、本日以降、婚姻中における貴殿に対する貞操義務を違反し、自ら夫婦関係を破綻させる浮気などの行為は一切しないことを誓約いたします。
第 3 条(慰謝料)
私は貴殿に対し、私通により貴殿に対する貞操義務を違反し、自ら夫婦関係を破綻させたことによる責任及び貴殿に対して精神的・肉体的苦痛を与えた責任として、本日までの慰謝料として、金 万円(慰謝料の他探偵調査料等の実費も含む。)の支払の義務があることを認めます。
2.前項に定める慰謝料の支払については下記のとおりとします。
□ 平成 年 月 日限り全額を支払うものとします。
□ 金 円については、本日限り支払うものとし、残金 円については、毎月 円の 回払いとし、平成 年 月 日を第一回として、以後毎月末日までに、支払うものとします。
□ 毎月 円の 回払いとし、平成 年 月 日を第一回として、以後毎月末日までに、支払うものとします。
第 4 条(慰謝料の支払いの誓約)
私が、第1条及び第2条の誓約事項を反故し、再度、浮気などにより貴殿に対する貞操義務を犯して自ら夫婦関係を破綻させるような行為におよび、貴殿に精神的・肉体的苦痛を与えた場合には、貴殿に対し、
金 万円以上の慰謝料支払義務があることを承認しました。
ただし、前条に定めるすでに支払の確定している慰謝料金 万円は除きます。
第 5 条(離婚の予約)
私は貴殿に対し、浮気などにより貴殿に対する貞操義務を違反し、自ら夫婦関係を破綻させるような行為に及んだ場合には、民法第770条第1項(裁判上の離婚原因)第1号に規定する「配偶者に不貞な行為があったとき。」に該当することを認め、無条件にて離婚を承諾するとともに、前条に定める慰謝料を直ちに支払うことをお約束いたします。
第 6 条(離婚届の使用)
私は貴殿に対し、万一、浮気などにより貴殿に対する貞操義務を違反し、自ら夫婦関係を破綻させるような行為に及んだ場合のために、予め署名押印した離婚届を貴殿に差入れ、貴殿がその離婚届を管轄{区役所・市役所・町役場・村役場}に提出することに対して一切異議は申し立てません。
第 7 条(離婚時の義務)
万一、将来貴殿と離婚に至った場合には、定められた慰謝料の支払を滞りなくする為、転職、転居、その他について変更が生じた場合には、直ちに貴殿に書面により届け出るものとします。
2.私が前項の届け出義務を怠った場合において、貴殿が慰謝料請求に関して要した調査費用等は全額私が負担することを承諾します。
3.将来貴殿と離婚となり、貴殿が私の浮気相手等の第三者に慰謝料請求権を行使することとなった場合には、貴殿の慰謝料請求権行使に誠意をもって積極的に協力することをお約束いたします。
第 8 条(子の親権等)
万一、将来貴殿と離婚に至った場合には、私と、貴殿との間の ( )の親権者を
とし、 が を監護養育することに予め同意いたします。
なお、本日以降に出生した子についても上記のとおりとします。
2.前項の場合、私は貴殿に対し、離婚成立月の末日を第一回として が大学またはこれに準じる高等教育機関を卒業する月(ただし、大学等に進学しない場合は満20歳に達する月)までの間、養育費として1カ月当たり金 万円以上を毎月末日までに、貴殿の指定する金融機関に振込送金してお支払いすることをお約束いたします。
第 9 条(夫婦財産の処置)
私は貴殿に対し、私の所有する不動産、動産、預貯金、生命保険並びに有体動産その他一切の財産を、貴殿から要求があった場合には、すべて貴殿に贈与することを誓約します。
なお、貴殿が上記により、私の所有財産を貴殿名義の財産に変更する場合には、私の承諾は必要ありません。
2.今後夫婦共有財産を取得する場合には、出来る限り貴殿の名義にするように努めることをお約束いたします。
3.私は貴殿に対し、万一、将来貴殿と離婚に至った場合には、前1、2項により貴殿の所有となった財産に対して、離婚に基づく財産分与の請求権は、これを一切放棄いたします。
第 10 条(誓約事項)
私は貴殿に対し、今後の貴殿との結婚生活において下記の事項を誓約します。
(1)毎月の収支を明らかにし、家計の管理は貴殿にまかせること。
(2)病気等特別な場合を除き会社を欠勤せず仕事に精進すること。
(3)貴殿に対する尊敬・愛情の心を常に持ち、貴殿が健やかに暮らせるよう精一杯の努力を惜しまないこと。
(4)浮気並びに貴殿に浮気と誤解されるような行動は絶対にしないこと。
(5)暴力・暴言は絶対に振るわないこと。
(6)子供に対する教育に責任をもってあたること。
(7)炊事・洗濯・掃除等の家事を積極的に行うこと。
(8)飲酒はできるだけ控えめにし、付き合いは程々にすること。
(9)パチンコ等のギャンブルを極力慎むものとし、月2回以上はしないこと。
(10)貴殿に無断でサラ金業者等から絶対に借金をしないこと。
第 11 条(公正証書の作成)
本誓約書の各条項を内容とする公正証書を作成することに同意し、本合意を履行しないときは、全財産に対し直ちに強制執行を受けても異議がないことを承諾し、公正証書作成のための委任状と印鑑証明書各1通を
に交付するものとします。
本誓約書は、私の反省の意志と今後二度と同じ過ちを繰り返さないという強い意志を証明するため良心に従い作成したものであり、貴殿に今後一切ご迷惑をおかけしない証として、後日のため差し入れます。
平成 年 月 日
住 所
氏 名 印
◇ 離婚基本合意書 見本(例)
離婚基本合意書
(以下、「甲」という。)と (以下、「乙」という。)とは、両者間の離婚に関して、本日下記のとおり合意する。
第 1 条(協議離婚の成立)
甲乙は、本日、協議離婚することに合意し、甲乙各署名押印の協議離婚届用紙を作成の上、その届出提出を甲に託し、甲は、平成 年 月 日までに 役所に離婚届を提出するものとする。
第 2 条(財産分与等)
甲は、財産分与及び離婚慰謝料並びに乙の今後の生活の扶助の意味による解決金(以下、「財産分与等」という)として、乙に対し、金 万円を支払うものとする。
2.前項の財産分与等の支払いは、下記のとおりとする。
□ 本日限り支払うものとする。(乙はこれを受領した。)
□ 金 円については、本日限り支払うものとする。(乙はこれを受領した。)
残金 円については、毎月 円の 回払いとし、平成 年 月 日を第一回として、以後毎月末日までに、乙の住所地に持参または乙の指定する金融機関
( 銀行 支店)の乙名義の口座(普通口座 )に振込送金して支払う。
第 3 条(遅延損害金)
甲の乙に対する前条第2項に定める財産分与等の支払いが1回でも遅れた場合には、当然に期限の利益を失い、甲は乙に対して、その時点での残金の合計金額にその時点から年 %の割合による遅延損害金を付加して、これを直ちに支払うものとする。
第 4 条(秘密保持)
甲及び乙は、知り得た相手方の秘密を、相手方の親族等の関係者及び第三者に開示、漏洩しないものとする。2.甲及び乙は、知り得た相手方の秘密を故意または重大な過失により漏洩し、相手方に損害が生じた場合には、損害賠償及び相手方が必要と認める措置を履行する義務を負う。
第 5 条(債権債務の不存在)
甲及び乙は、本件は、この合意によって一切解決したことを確認し、甲・乙間には前条により発生しうる損害賠償債権・債務以外何らの債権・債務関係のないことを当事者相互に確認する。
第 6 条(別途協議)
本合意書に定めていない事項および本合意の解釈については甲乙間互いに誠意をもって、その都度協議決定するほか、民法等の法律及び一般慣習に従うものとする。
2.本合意書に定めていない事項について甲乙間において別途合意が成立した場合には、その都度本合意書を基として、覚書を作成するものとする。
第 7 条(公正証書の作成)
甲は、本合意の各条項を内容とする公正証書を作成することに同意し、本合意を履行しないときは、全財産に対し直ちに強制執行を受けても異議がないことを承諾し、公正証書作成のための委任状と印鑑証明書各1通を乙に交付するものとする。
第 8 条(合意管轄)
本合意から発生する一切の紛争の第一審の管轄裁判所を、乙の住所地を管轄する裁判所を専属的合意管轄とすることに甲乙とも合意した。
上記のとおり合意が成立したので、上記内容の遵守を誓約し、本書2通を作成し、甲・乙は署名・捺印の上、各1通宛保有する。
平成 年 月 日
住 所
(甲)氏 名 印
住 所
(乙)氏 名 印
◇ 示談書 見本(例)
示 談 書
(以下、「甲」という。)と (以下、「乙」という。)とは、本日下記のとおり示談することに合意した。
第 1 条(事実)
甲は乙に対し、乙に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下、「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛ける等のストーカー行為により、乙の身体の安全、生活の安全、住居等の平穏及び名誉に対する危害を負わせ、乙の生活の安全と平穏を著しく悪化させたことを認めた。
第 2 条(誓約)
甲は乙に対し、前条によるストーカー行為を心より謝罪し、今後乙に対し次の行為を一切断つことを誓約する。
一、つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校、住宅等の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。
二、その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態におくこと。
三、面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四、著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五、電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ若しくはファクシミリ装置を用いて送信並びにその他の通信手段を用いて送信すること。
六、汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し
又はその知り得る状態におくこと。
七、その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八、その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。
九、他人を介しての全各号による行為。
第 3 条(損害賠償)
甲は乙に対し、第1条による損害賠償及び慰謝料並びに謝罪金として、金 万円
を本日支払い、乙はこれを受領した。
第 4 条(不処分)
甲は乙に対し、深甚なる謝罪を表し、乙は甲の誠意を了して宥恕することとし、甲の刑事処分はもとめないものとする。
第 5 条(秘密保持)
甲及び乙は、知り得た相手方の秘密を、第三者に開示、漏洩しないものとする。
第 6 条(債権債務の不存在)
甲及び乙は、本件に関しては上記各条項ですべて解決済であり、上記に定めるものの他一切の債権債務の存在しないことを相互に確認した。
上記のとおり示談が成立したので、上記内容の遵守を誓約し、本書2通を作成し、甲・乙は署名・捺印の上、各1通宛保有する。
平成 年 月 日
住 所
(甲)氏 名 印
住 所
(乙)氏 名 印